AirPods Maxは最強の作業用ヘッドフォンだった



AirPodsMaxを買って、1ヶ月ぐらい経って、しっかり使ったので、感想を動画にしてみたいと思います。

まず、結論ですが、前の動画では、「満足」としていましたが、その満足は、1か月経っても継続しています。

実際に使った後、AirPods Maxを自分なりに表現すると、「最強の作業用ヘッドフォン」という言葉になるでしょうか。

▷実際の使用シーン:仕事

まず、この1ヶ月、AirPods Maxをどのように使ってきたかをお話しします。

自分の仕事ですが、ほとんど在宅勤務で、たまに出社したり、サテライトオフィスを利用することもあります。

仕事は、テレビ会議がかなり多いですが、AirPods Maxの外音取り込み機能のおかげで、自分の声のフィードバックも聞こえるので、普段と同じような自然な感じで話せます。周りの生活音が気になるときは、ノイズキャンセリングにして、会議に集中することもできます。

バッテリーの持ちの良さや、装着性がよいことで、会議が連続しても、以前よりも快適に通話を続けることができています。

一人で作業するときは、音楽を聴きながら、ということもありますが、その場合、iPhoneで音楽を流し、会議が始まったら、仕事用のMacに繋ぎかえる、ということがスムーズにできています。

こんな感じなので、自宅での仕事中は、6割ぐらいの時間は、AirPods Maxをつけたままにしているのではないでしょうか。

これは、自宅だけでなく、オフィスでも同様でした。

久しぶりにオフィスに出社して、仕事をすると、周囲で会話する声が結構気になるようになっていたのですが、オフィスってそういうものですよね。そんな時でも、ボタンをポチッとしてノイズキャンセリングすれば、一気に集中できます。

元々、AirPods Maxは、テレビ会議を快適に、効率よく行うために、導入したので、想定通り、想定以上の使い勝手でしたので、この時点で自分のAirPods Max導入は成功したといえるでしょう。

▷実際の使用シーン:プライベート

プライベートでも、AirPods Maxは活躍しています。

音楽は、もちろんのこと、動画を見るとき、ゲームをするとき、頭に載せっぱなしにしていて、家事しながら、寝る前にベッドで、と自宅では、プライベートの時間も結構、AirPods Maxを使っています。

プライベートでは、M1 Proの新しいMacBook Proも導入したばかりですが、この相性も非常にいいと感じてます。

動画の制作は、前は、机に座ってしかできなかったのですが、新しいMacBook Proと、AirPods Maxの組み合わせであれば、結構な作業を机以外のところでもできるようになりました。

具体的には、自宅の中であれば、ソファ、ダイニング、ベッドの上などはもちろんのこと、休みの日は、ベランダで日光浴しながら、というのは、よくやっています。

我が家は、割と大きな道の近くにあるので、ベランダでは、結構車の音がうるさいのですが、AirPods Maxがあれば、すっと、静かで集中できる環境になり、太陽の暖かさだけを楽しめます。

自宅以外でも、歯医者の待ち時間、カフェなんかでも、MacBook ProとAirPods Maxのコンビで、どこでも動画制作の作業ができました。

こんな感じで、この1ヶ月、かなり色々なシーン、使い方でAirPods Maxを使ってきました。

音楽を聴くだけなら、他にも優秀なヘッドフォンはあると思いますが、音楽以外も含めて、全てを高い品質でできるのは、AirPods Maxだけだったのではないか、と思っています。

▷外音取り込みの素晴らしさ

AirPods Maxの良さの中で、強調したいことがあるとすれば、外音取り込み機能です。

今までの取り込み機能というと、外音をドライバから再生している、感が強く、実際にAirPods Proの外音取り込みは、優秀ではありますが、自然とまではいきません。あぁ、頑張って外音を取り込んでるな、という感じがします。

ところが、AirPods Maxの場合は、これがより自然で、音的には今、ヘッドフォンをつけてないのかな、と感じてしまうほどです。音的には、と言ったのは、それなりに重量はあるので、さすがにつけてないと感じる、というのは言い過ぎになるからです。

この自然に周りの音が聞けている状態で、接続した機器から音を再生すると、必要な音が、くっきりいい音質で耳に入ってくることになります。環境音と再生音が等しく聞こえる、というのは、かなり変わった体験です。

同じような効果を得られるものとして、これまた最近購入した、ambieサウンドイヤカフがあります。こちらは、耳穴を塞がないので、環境音はそのまま聞こえるというのは、AirPods Maxと同じです。ただ、ambieから再生される音は、くっきりいい音質、とはいかないところが、AirPods Maxとの大きな違いです。

環境音と、再生音の絶妙なミックスができる、というのが、買って実感できたこのAirPods Maxの特異な価値だと思いました。

▷重量

AirPods Maxは、ヘッドフォンとしてはかなり重いのですが、重く感じにくい工夫はされているな、とは感じます。

アーム部分の頭に当たるところがメッシュになっているのですが、これが、点ではなく面で頭に接することによって、重量が分散され、重みも分散されています。

重さは、イヤーカップでも感じますが、イヤーカップの柔らかさと耳全体を覆う大きさ、側圧との関係で、これまた、重量が分散されています。

首で重さを感じると、確かに重いのですが、接している部分では、極端に重く感じないことで、長時間、装着しやすくなっています。

もちろん、ヘッドフォン全体は重いので、移動時のように静動を繰り返す場面では、慣性が働いて、ずれやすくなります。
このような場面では、素直にAirPods Proなどを使う方がいいでしょう。

▷ケースについて

前回の動画ではあまり触れなかったのですが、付属ケースの使い勝手についても少し、話します。

実際に、外出時にAirPods Maxを持ち出すときに、ケースを使いましたが、絶賛するまではないにしても、必要十分だな、と思いました。

AirPods Maxに限らず、ヘッドフォンは、その形状から、かさ張るわけですが、AirPods Maxは、ヘッドフォン部が回転して、薄くなります。薄くなることで、カバンの中に入れたときに、最小限のスペースで済みますし、壊れにくくもなります。

純正のケースは、回転した状態を保持し、薄さを保ちながら、傷つきそうなアルミのハウジングを保護し、誤動作を防ぐことはできます。

また、素材も軽めで、本体にフィットするサイズなので、空間的な無駄は少なく済みます。カバンの中に入れる場合であれば、結構、都合が良かったです。これが全体を覆うハードなケースであれば、無駄なスペースは必ず生まれ、重量も重くなるでしょうし、過剰に保護している感じになります。

ヘッドバンド部分が剥き出しになるのですが、カバンから出し入れするときに、これが取ってになって、取り出しやすくなるので、意外と便利でした。

そういう意味で、必要十分、ということです。

トリニティから、全体を覆うケースが受注生産されていましたが、ケースというより、ほぼバッグになってました。これをさらに鞄に入れるのかとか、カバンと別に持ち歩くのかとかを想像すると、純正ケースはやっぱり必要十分だな、と思いました。

▷電源がオフできない仕様

AirPods Maxは、電源オフできない仕様なのですが、実際に使ってみて、その意味もわかった気がします。

電源をオフにできないので、使うときには、ヘッドフォンホルダーから外し、頭にセットし、そのまま使い始め、終わったらホルダに置くだけ。

言うなれば、iPhoneと同じような感覚で、必要なときには、すぐ使え、使わなくなったら放っておく、という感じです。iPhoneは、機能的には、電源オフはできますが、実際の使用時に毎回電源オフにしている人はいないと思います。

AirPods Maxのバッテリー持ちはよく、こういう運用を1日続けても、バッテリーが半分を切ることはないので、電源のことは考えなくなりました。

もっとも、これは使用頻度が高い場合なので、便利に感じる、というのはあると思います。他にたくさん使いたいヘッドフォンがあって、AirPods Maxはたまにしか使わない、という人は、明示的な電源オフがあったほうがいいだろうな、とは思います。

▷有線ケーブル

AirPods Maxの購入後に、Lightning-オーディオの有線ケーブルも購入してみました。

有線ケーブルを導入する意味は、遅延の軽減の一点だと思います。

自分の場合、有線ケーブルのこれは、という使用用途は、バイオリンの練習です。

自分は、この2年ぐらい、ヤマハのサイレントバイオリンで練習しているのですが、バイオリンの音をモニタリングするのに、AirPods Maxを有線で使ってみました。

この使い方が、めちゃくちゃいいのは、AirPods Maxの外音取り込みでバイオリンを弾くと、ピックアップを通じた音と、バイオリンの生音がいい具合にミックスして、かなりリアルな音で練習できる、というところです。

サイレントバイオリンといえど、多少、弦の擦れる生音がでているので、その音が聞けるのは、とてもいいです。

また、iPadのGarageBandで、伴奏を鳴らしたりするのですが、iPadのスピーカーで鳴らして、AirPods Maxの外音取り込みで聞けば、音声信号のミックスなどせずに、伴奏に合わせて、自然に練習ができます。

有線ケーブルのもう一つの使い道は、PS5のコントローラーに接続して、ゲームの音をAirPods Maxで聴く、というものです。

PS5は、Bluetoothオーディオに対応していないので、AirPods MaxをPS5でも使いたい場合は、有線ケーブルが一番手軽に使う方法になります。

有線ケーブルは、価格は高いのですが、有線でしか対応できない場面に、AirPods Maxの機能、音質を使うことができるので、これは買って良かったオプションでした。

▷使い分け

この1ヶ月、結構、AirPods Maxを使ったのではないかと思いますが、他のオーディオデバイスを一切使わなかったわけではありません。

併用していたのは、オーディオシステム、モニタスピーカー、機器の内蔵スピーカー、イヤフォンでは、AirPods ProとAmbieです。

当然、家族と共有したいときは、スピーカーを使いますし、逆に自分一人しかいない時も、スピーカーです。

電車・バスと、インドアバイクのときはAirPods Pro、散歩と自転車はambieです。

つまり、他の人がいる空間で、他の人と音を共有しない、かつ、移動していない時が、AirPods Maxの使い所、ということになります。

当然、ここは、AirPods Proでもいいわけですが、使用が長時間に渡る場合は、Maxということになります。また、遅延をゼロにしたい場合も、有線接続できるのは、Maxだけになります。

AirPods Maxの導入で、使用頻度が激減したのは、IE100 Proでしょうか。有線、無線両方使えるのですが、音質、機能共に、AirPods Maxが上位互換なので、出番がありません。

耳掛け式で、動きがあっても使える、というのが利点ですが、大抵の場合は、AirPods Proの出番なので、難しいところです。

▷空間オーディオ

意外に使っていないのが、空間オーディオの機能です。ほとんどの音楽は、制作時に2chステレオを想定して作られているので、これを空間化しても、聞こえ方がイマイチという場面が結構あります。

映画など映像作品は、空間を前提に作られているものが多いのですが、映画を見るなら、リビングの75インチのテレビと、7.1chのスピーカーで楽しむ、ということになってしまいます。

AirPods Maxと組み合わせないといけない場面が、この1ヶ月ではなかったです。

出張などあれば、出張先のホテルや、飛行機、新幹線などで、楽しむとかはいいかもしれませんが、何年も出張など行っていないので、機会はなさそうです。

▷AirPods Maxとは何か

AirPods Maxは大変高価なヘッドフォンですので、本当に、価値があったのか、考えてしまうのですが、使ってみて改めて思うのは、AirPods Maxは、やはりAirPodsだった、ということです。

AirPodsシリーズは、初代、第二世代、Proと使ってきましたが、当然、Maxは、その延長線上にあり、その特徴を受け継いでいるわけです。

では、AirPodsとは、何か。

まずイヤフォン、ヘッドフォンの用途としては、音楽が一番にあがりますが、音楽だけではありません。

動画やゲームなど、音が重要なコンテンツは増えており、当然、iPhoneやiPadのようなデバイスでも、音楽用途以外の音を多く扱うようになっています。

同時に、昔よりも表現、伝達手段として、動画はよく使われるようになり、当然、動画を制作するときには、音は必要になってきます。音を楽しむだけでなく、音を使った音楽以外の制作活動も増えています。

また、このコロナ禍で、コミュニケーション手段として、ビデオ通話が劇的に普及しました。これによって、PCでの音声デバイスの重要性が高まりました。

もう一つ、用途に応じて、iPhone、iPad、Macなど、一人の人が複数のデバイスを使い分けることも当たり前になっています。

つまり、AirPodsとは、音楽以外の他の音声用途を複数デバイスで使えるよう、使い勝手・品質を強化している音声デバイス、と考えています。

逆に、音楽特化の用途や、単一デバイスで使う場合には、AirPods以外の選択肢はたくさんあがると思います。

AirPods MaxもAirPodsシリーズなので、この音楽以外の用途でも、複数デバイスで使いやすい、という特徴を備えています。

このシリーズの特徴がベースにあるため、他の音楽で優秀なヘッドフォンと音楽における音質だけで比較しても、AirPods Maxの価値を評価するには不足、ということになります。

AirPods Maxの価値を考えるには、AirPodsシリーズ内、特にProとの比較は、必要に思います。

Maxが、Proよりも上回っているのは、音質、バッテリー持続時間、外音取り込み・ノイキャンの性能向上、給電、有線、操作性、となります。

1ヶ月使ってみて、それぞれの機能に、AirPods Proにこの機能を付加するなら、いくらまで出せるか、という感じで、自分なりの感覚で値段をつけてみました

  • 音質+1万円
  • バッテリー+1万円
  • 外音取り込み・ノイキャン+1万円
  • 操作性向上+5000円
  • 給電、有線+2000円

というところでしょうか。これを全部合計すると、3.7万円になりました。

AirPods Proが、3万円、Maxが6.8万円なので、ほぼ同じ額になりました。

AirPods Maxの絶対的な価格が、高額なのは間違いないのですが、機能・性能の差が不合理なのか、といえば、割と妥当な感じもしてきています。

最初の方に、AirPods Maxは「最強の作業用ヘッドフォン」と話しました。

ここまで長々と話してきましたが、

バッテリ性能と、装着性で、長い時間、外音取り込み、ノイキャンで、多様な場所、シーンに対応でき、遅延の少なさ、音質の良さ、操作性の良さで快適に使える、単に音楽を聴くだけではなく、音の必要な多くの作業で使える、ということで、「作業用ヘッドフォン」と思っています。

また、これはApple製品を複数組み合わせ使っている人限定になりますが、たくさんのデバイスでも簡単に切り替えられる、唯一の存在なので「最強の」と表現させていただきました。

他のAirPodsシリーズは、バッテリー容量が少ないので、劣化のことを考えると、2年ぐらいの寿命しかないと思います。Maxは、元のバッテリー容量が多いので、その点でも長持ちしそうですし、イヤーカップだけでなく、バンド部分も交換可能なパーツになっているそうですので、耐用年数はもう少し長そうです。

これ以上の性能向上は、必要にも思えないので、製品のライフサイクルスパンも長そうですし、その点でも、価格も割と妥当なのかもしれません。

というわけで、AirPods Maxをがっつり1ヶ月使ってみたところ、自分的には最強ですし、費用対効果は、まずまずあった、と感じています。

何かしら、参考になれば幸いです。




Apple AirPods Max - スペースグレイ