M1Pro MacBook Pro 2021ファーストインプレッション
2021/10/31 13:15 カテゴリ:MacBook
発売日よりは少し遅れましたが、我が家にもM1 Proチップを搭載した新型MacBook Pro 16インチが到着しました。
同じ16インチの一つ前のモデルからの買い替えなので、比較しつつ、
初日で、気づいたこと、感想などをお伝えしたいと思います。
いままで使っていたのは、
- Intel Core i9 2.3GHz 8コア
- メモリ 16GB
- SSD 1TB
- 32万円
購入したのは、
- M1 Pro
- 10コアCPU 16コアGPU
- メモリ 16GB
- SSD 2TB
- 37万円
差は、SSDを1TB増やしていて、それが4.5万円ぐらいなので、SSD以外は、ほぼ同じような価格の乗り換え、ということになりました。
■環境移行
今まで使ってきた、2019年モデルから、Thunderbolt 3ケーブルで環境を移行したのですが、全ファイルを移行するのに2時間ぐらいかかりました。
■外観デザイン
それほど変わらないと思っていたのですが、結構違いますね。
前の2019年モデルの外側は、カーブが多用されていますが、2021年モデルは、上面も底面も、真っ平です。
質感も、2019年モデルは、アルミの塊感があるのですが、2021年モデルは、ただの板、下手すると樹脂のパネルのようにも感じます。
叩くと音もペコペコします。
デザイン的な面白みは、減じているとは思いますが、内部の空気の通りなんかは、 良くなりそうな雰囲気です。
2019年モデルは、高級感があるとも言えるのですが、逆に、2021年モデルは、気軽さ、カジュアルさがあって、手に取りやすさを感じます。
キーボード周りは、黒くなっていて、大きなファンクションキーがつきました。色的には、2019年モデルの方が、ファンクションキーを目で認識しやすいので、好きかも。
大きなファンクションキーですが、通常のキー部分と区別がつきにくいので、サイズは小さい方がよかったかもしれません。
キータッチは、2019年モデルとは、それほど大きくは違わないような感じです。
ディスプレイ側は、確かにベゼルは細くなったのですが、16インチモデルは、画面が大きいこともあり、使っている最中は、ベゼルまで目が届かないので、あまり気付きませんね。
ノッチ部分も、メニューバーが、暗い色の時は、予想通り、ほとんど気づきません。
■XDRディスプレイ
以前の2019年モデルも、十分綺麗な液晶でしたが、2021年モデルは、226ppiから、254ppiと、ピクセル密度がちょっと上がっているので、文字などの精細さが、若干あがっているように感じます。
それ以外は、通常の使用時には、ものすごく違いがあるようには感じません。
ただ、HDRコンテンツを表示した時は、iPad Pro同様、めちゃくちゃ綺麗です。
しかもiPad Proよりも、さらに大きな画面で楽しめるので、最高です。
そして何より、自分で作成しているHDR動画を正しい鮮やかさで、プレビューできるのはありがたい。
今まで、動画を書き出した後に、iPhoneやiPad Proで、HDRの明るさを確認していたので、編集時に確認できるのは助かります。
ディスプレイの輝度が、屋外でのディスプレイの見やすさに影響を与えるか、ですが、10月後半の日の光の下では、2019年モデルも、2021年モデルも、同じような見え方でした。
2021年モデルの1000ニトのディスプレイは、HDR映像のためにあると考えてよさそうです。
■処理速度
MacBook Proの最大の期待は、パワーな訳ですが、自分の作業の中でどのぐらい速くなるのかを試してみました。
GeekBenchの結果だと、マルチコアスコアで1.8倍でした。
まずはテストしやすく、わかりやすいもの、ということで、過去にアップした動画の書き出し速度を2019年モデルと比較してみました。
まずフルHDの10分ぐらいのFinalCut Pro Xで編集した動画をCompressorを使って書き出しました。
2019年モデルが11:30かかっていたのが、3:38秒、なんと1/3以下でした。
4K60Pの動画は、2019年モデルが44:47に対して、2021年モデルは16:08と、これまた1/3ぐらい。
すごないですか?!
後、うちで重そうな処理といえば、GoPro Max 360度動画のエクスポートというのがあります。
これは、2019年モデルが1 分17秒、2021年モデルは、17秒!
1/5ぐらいで済みました。
ベンチの差は、2倍ぐらいでしたが、それ以上の作業時間の短縮になっていました。ProResや、HEVCを使っているので、メディアエンジンの恩恵を受けていそうです。
そして、この作業をしていても、ファンが全く動きません。熱くもなりません。
かたや2019年モデルは、ファンがフル稼働。
技術の進歩、M1チップの進歩に乾杯です。
■スピーカー
スピーカー性能ですが、まずは、ミュージックで比較してみました。
ですが、2019年モデルとは、音質的な違いはそれほど感じられませんでした。元々、2019年モデルの時点で、かなり良かったです。
違いは、2021年モデルは、Appleの空間オーディオに対応しているので、定位感は、結構変わります。
個人的には、音楽の場合は、必ずしも空間オーディオが上位というわけではないと思うので、選択肢が増えた、というところでしょうか。
映像の方ですが、内蔵スピーカーで空間オーディオ対応、ということになり、Dolby Atmosのデモコンテンツで試しました。
6スピーカーとはいえ、正面側にしかスピーカーがないので、背面の音が感じられるのかは、疑問だったのですが、ちゃんと空間を感じられました。素晴らしい。
ただ、今回、改めて2019年モデルでも、Dolby Atmosコンテンツを再生してみたんですが、2019年モデルでも、同じように空間を感じられました。元々Dolby Atmos には対応していたようです。認識不足でした。
2021年モデルの差は、Dolby Atmos以外の空間オーディオだったり、ヘッドトラッキング対応、ということですので、スピーカー性能そのものは、2019年モデルを踏襲している感じでしょうか。
■内蔵SSD
今回、奮発して、SSDを2TBにしました。
容量を食う動画ファイルの作業領域を2019年モデルでは、外付けSSDにしていたのですが、2021年モデルでは、内蔵SSDで賄えるようにしました。
結果は、やはり快適です。
以前は、小さいとはいえ、ポートにドライブがぶら下がっているので、設置、取り回し、移動などが煩わしくなり、ファイル管理、マウントのし忘れ、など運用も手間がかかりました。これを内蔵に変えたので、一気になくなりました。
読み書き速度を計測してみると、同じ内蔵SSDでも、2019年モデルの2-3倍速いので、値段に見合った投資だったと思い込むことにします。
■まとめ
まだ、新しいMacBook Proが到着してから24時間経っていない状態で、気になっていたところを駆け足で見てきました。
この段階ですが、新しいMacBook Pro 2021年モデル、かなり満足しています。
最大のポイントは、2019年モデルと同価格帯ながら、2-3倍の処理速度になったことで、作業効率があがりそう。
XDRディスプレイで、HDR映像をプレビューしながら編集できる。
SSDを増やしたことで、最近、力を入れている動画作成をスタンドアローンでこなせること。
これら全ての作業を行なっても、ファンが回らず、発熱もせず、バッテリーも長時間保つ。
これだけの利点があれば、買い替えは成功ですね。
2019年モデルは、バッテリー駆動での作業は、ほとんど望めないので、持ち運べるオールインワンデスクトップ、みたいな感じでした。
高級感がある一方で、持ち運ぶには気を遣う、という一面もありました。
2021年モデルは、性能が圧倒的に向上した上で、バッテリー駆動が実用的にできるので、2021年モデルの外観デザインの持ち歩きやすさ、カジュアルさが、マッチしているようにも感じられます。
2年前の2019年モデルは、性能的にハイエンドに近い方だったのですが、2021年モデルは、この上にM1 Max搭載モデルもあるので、いかに、Intel Macが性能の限界だったのか、Appleが独自チップに移行したのかも、よくわかりました。
M1 Proか、Maxか、でいうと、自分の場合は、やはりProでよかったなと思います。
すでにかなりの時間短縮が現時点でできているので、これ以上の性能アップは、自分には当分は必要ないな、とも思いました。
44分の書き出し時間が、11分になるのは、30分の短縮になりますが、ここからさらに半分になっても、5分の短縮にしかならない、ということですね。
というわけで、しばらくは、この2021年MacBook Proを使い倒していきたいとおもいます。
2021 Apple MacBook Pro (16インチ, 10コアCPUと16コアGPUを搭載したApple M1 Proチップ, 16GB RAM, 1TB SSD) - スペースグレイ